京都・上賀茂神社、韓国・慶尚北道の安東(アンドン)に続き、日韓を巡る一週間の最後の古都は奈良でした。
9月26日の夜に韓国から帰国し、翌27日の朝から奈良・大安寺の「獅子吼殿 ホールひ・び・き」へ。
天候不順などによる帰りの便の遅延もなく、無事予定どおり帰国できて本当に良かったです。
大安寺は、かつて東大寺や興福寺と並び、南都七大寺の一つに数えられた寺院です。
奈良時代には、インド出身の高僧・菩提僊那(ぼだいせんな)が活動の拠点としたことでも知られています。
この日は講談師・旭堂南照(きょくどう なんしょう)師と横笛のコラボレーションでした。
講談とのコラボは、今年5月に続いて2回目です。
演目は『ひえつきぶし物語』と『滝の白糸』の二席。
源平時代、宮崎県椎葉村に伝わる平家落人の悲恋を描いた『ひえつきぶし物語』では、神楽笛一本で演奏しました。
一方、泉鏡花の小説『義血侠血』を原作とする『滝の白糸』では、語りの場面や物語の展開に合わせて、さまざまな調子の篠笛や神楽笛を使い分けました。
講談との共演では、語りがしっかり聴き取れるよう、笛の音量や音域をコントロールすることが大切です。
また、場面によっては、音量をほとんど上げずに迫力を感じさせるという、一見矛盾するような表現の工夫も必要になります。
もちろん、語りのない前奏・後奏や場面転換では、笛の音を存分に響かせます。
この日は、上方落語家の笑福亭伯枝(しょうふくてい はくし)師も出演されました。
伯枝師は、あの六代目・笑福亭松鶴師の一門。内弟子時代には師匠の運転手も務められていたそうで、控室では昭和ならではの貴重な体験談も聞かせてくださいました。
そして、私の笛については、
「『ひえつきぶし物語』の笛の音が、大河ドラマのようだった」
とうれしいお言葉をいただきました。
公演後は、関係者の皆さん、出演者の皆さんとともに、大安寺の御本尊を参拝。貫主様自らご案内くださいました。
その後は打ち上げへ。
前日まで3日連続で韓国料理を堪能していましたが、日本の料理もまた、洗練されたおいしさがありました。
こうして、京都・上賀茂神社、韓国・安東、そして奈良へと続いた、怒涛の一週間を無事に走り抜けることができました。


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