【心・身体コラム-Vol.2】 見失われた身体性

古来より日本人は身体の使い方が優れていたようです。
古典芸能の舞や所作をはじめ、熟練の巧の技や書画における筆運びの見事さも、日本文化は日本人の高度な身体性の上に築かれてきたといえるでしょう。

山・川・海に恵まれ起伏に富んだ地形、変化に富んだ四季といった気候風土が、日本人の精緻な身体感性を育て、巧みな身体操作を身につけてきたのだと思われます。

このような優れた身体が失われつつあるといわれています。
何故、そのようなことになったのでしょうか?

便利な乗り物や家電製品等の発達で身体を遣わなくなったことも大きな原因でしょう。

また、現代社会の中では、幼少から成人へと成長に至る過程で画一的な姿勢や動作を強いられることも多く、フォーム作りやトレーニングの際、自分の身体感覚を殺してしまい自らの身体を拘束してしまう例も多く見られます。

その結果、自らの身体の声を聴けなくなった、ということです。

(文:出口煌玲)